第5回公演

化けの皮一枚隔てた向こう側の話

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「 あなたにだけ話した話の数が
　二人の絆だった。
　それは罪であり罰だった。
　今日、ボクはあなたを裏切って
　その話を新作に書くよ。
　ダダンッ、ダダンッ、風が強くなって
　雨が窓を叩く。
　化けの皮一枚隔てた
　向こう側の話を・・・」

こんにちは。数学が美学だと言われて、ちょっとイメージしただけでも、それを否定する人は少ないように思われる。数学は何だか美学っぽいから。私はそう言われると、いつもイコールの記号を想像する。「＝」これ。イコールの左側にどれだけ複雑で難解な数式が書かれていたとしても、イコールの右側がどれだけ簡単な数だったとしても、イコールは言わば鏡であり、右側と左側はまったく同じなのだ。あるいは、イコールとはシーソーの支点であり、左右がどんな形であっても、見た目のボリュームの差が大きくても、左右の重さはピッタリ釣り合っている。あるいは、イコールの右側は一種の立体模型であり、左側にはその展開図面が描かれているイメージも。ふふ。そう話を聞いて、ちょっとワクワクした人もいるのではないかしら？　それで、なぜ急にそんな話を書いているかと言うと、戯曲を書くのに、あるいは物語というものを紡ぐのに、こんな美観にワクワク出来るかどうかが、とても大事だと感じているから。戯曲の執筆は私にとっては数学なんです。さて、稽古場で「化けの皮一枚隔てた向こう側の話」を見ながら、私はずっとそんなことを考えていて。時々舞台に「＝」がピョコーンって現れて、ああアレとコレが釣り合った、美しい！って思ったり、ここまでの場面を組み立てたら、あらやだこんな立体に、面白い！って思ったり、
・・・って感覚はもうマニアック過ぎて誰にも理解されない！？　でも、とてもイイ舞台を作っているってことだけは何とか伝わるかしら。ああ伝わって欲しい。「＝」がピョコーンって次々と、これは雨の美学なのです。秋は長雨、今、公演まであと1ヶ月、あらためまして、化けの皮一枚隔てた向こう側の話をどうぞよろしくお願いします。面白い演劇だけをご用意して劇場にてお待ちしております。かしこ。雨

◎「ウテン結構」とは？　
2018年旗揚げ。第3回公演では台風の直撃で2ステージが飛び、
第4回公演は東京都の自粛要請に応じて公演を中止に、
雨と言うよりは嵐の中を漕ぎ出した「ウテン結構」も、
とうとう約束の地である第5回公演へ到達。
今の時代に合わせて発想した雨々アメ(仮)の渾身の新作にて、
地図のない町、もう一つの現実を生きる戦士達の日常を描く!!!!!!!!!!!!